　平成21年11月28日（土）、放課後子ども教室　“いただきますクッキング教室”実行委員会（長崎県時津町青山泰代表）は、前回の長崎県研究機関一般公開見学（11月14日）に引き続き、野外活動の一つとして時津町子々川郷の中山菜園で、さつま芋とじゃが芋の芋掘りや大根引きを体験させた。この農作業体験では日頃、何の気なしに食べている野菜が、種まき植え付けから収穫まで、どのようにして食卓に届いているかや野菜づくりをしている人たちの苦労を知り、天の恵みや周りの人に感謝する気持ちを育むことを目的に実施した。

　今回の農作業体験には、長崎県教育庁生涯学習課の上西誠先生と田中先生が視察に、案内役で時津町の社会教育課の西嶋　智子さんが見えられ最後までお付き合いいただいた。

　中山菜園は環境にやさしい菜園を目指して、生ごみ推肥や町の汚泥・草木の推肥、牛糞、鶏糞などを使い無農薬で野菜を育てている。また、水遣りに使う水はソーラーパネル（当法人の会員がリユース品として提供）で発電し、小型の水中ポンプを回して近くの小川から汲み上げている。汲み上げた水は不要になった家庭用の風呂桶（廃品リユース）を各所に配置、配管し必要な時に必要なだけ給水している。この桶には雨水も溜まるので、一緒に水遣り用として使っている。
　この菜園に携わっている人は11人、うち当法人の会員5人。いろいろ工夫しながら野菜づくりをしている。ミニ菜園だからできることもあるが、試行錯誤しながら目指すは“環境にやさしい菜園”！今回の農作業体験では併せ環境学習も行った。

　午前9時30分に中山集会場に集合し、スケジュールの概要を説明後、徒歩5分の中山菜園に向かった。菜園到着後は時間を区切り、さつま芋掘り、じゃが芋掘り、大根引きを体験した。農作業体験後は、野菜ができるまでや野菜の名前当て、環境菜園についてのクイズで学習した。お土産として、または親子の教材として、自分で掘ったさつま芋2～4個と自分で抜いた大根1本を持ち帰らせた。

　中山集会場に戻り、正午から女性スタッフの皆さんが、菜園で採れたさつま芋やじゃが芋、大根をふんだんに使ったブタ汁や芋ご飯を作り、参加者全員で食事をした。午後1時15分からの「終わりの会」では子ども全員に感想を述べてもらった。子どもからは「芋掘りをするとき、みみずや幼虫がいっぱい出てきた」「芋や大根がたくさん採れて楽しかった」「大根を抜くところが面白かった」などの声が聞かれた。こちらの意図に添うような感想は聞かれなかったが、今回の農作業体験を通して学習したことをヒントとして、日常生活の中で活かしてくれれば、意義ある取り組みであったと思うし、そのように願っている。
　お迎えに来られたお母さんからは「日頃できない体験をさせていただいて、家に帰っても子どもが、いい顔をしている」「家では教室のいろんな話をしてくれます。普段の食事にも、いい経験になっていると思います」という声が聞かれた。

　県の上西先生からは「とてもいい活動をされていると思います。学校では芋掘りはあるが大根引きはありません。目と耳から知識を得ることに加え体験させることは大切なことだと思います。スタッフの皆さんも役割分担をきちんと決めて、やっておられました。この活動を他にも伝えます」と述べられた。

　今回の参加者は子ども33人（北コミ9人　時小24人）、スタッフ19人、視察3人　計55人。新型インフルエンザで、学級閉鎖や学年閉鎖が相次いでおり、その影響で当日キャンセルの子も数人出るなど、子どもの参加者が少なかった。また、大学生スタッフもインフルエンザの影響で、予定していた学生が来られずに、急遽、ピンチヒッターが来るということもあった。参加できなかった子ども達の出来る限り早い復帰を願っている。

　来週（12月5日）は、残りの2教室（東部コミセンと福祉センター）の農作業体験を予定している。多くの子どもたちの参加と素晴らしい天気に恵まれることを祈っている。

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